太陽2068 

見に来た方たち&感想
・評

   
 ☆見に来た方達

松田翔太
藤原竜也
菅田将暉
木俣冬(映画・演劇ライター)
阪清和(エンタメ批評家)
木梨憲武・安田成美夫妻
小池徹平
篠田麻里子
増田有華
山口雅俊(映画監督)
犬童一心(映画監督)
青木宏行(光文社エンタテイメント編集部長)
渡辺志穂
湯舟すぴか
梶研吾(監督・作家)
多部未華子
大久保祥太郎
平山浩行
丸山隆平(関ジャニ∞)
EXILE NAOKI
春風亭小朝
佐々木敦(評論家)
堀義貴(ホリプロ社長)
高畑充希
河西智美
高橋努
TAKUYA∞(UVERworld)
北原里英
高城亜樹
松坂桃李
ウエンツ瑛士
牧有太(テレビマンユニオンディレクター)
貴島誠一郎(TBSテレビ制作局担当局長)
蒼井優
西山恭子(AKS広報)
中田早保
趣里
GLAY TERU
崎本大海
ピース又吉直樹
峯岸みなみ
樋口尚文(映画監督・評論家)
睡蓮みどり(女優・映画コラムニスト)
園子温(映画監督)
パンサー向井慧
石原真(NHKエグゼクティブ・プロデューサー)
湯浅順司(Sizuk Entertainment社長)
北川謙二(ノース・リバー社長)
山下智久
福田雄一(放送作家・映画監督)
斎藤工
城田優
呉美保(映画監督)
生田斗真
大島優子
水谷豊
岸部一徳
小栗旬・山田優夫妻
渡辺えり子
三浦翔平
北山宏光(Kis-My-Ft2)
柄本時生
笠井信輔(アナウンサー)
井上伸一郎(KADOKAWAエンターテインメント・コンテンツクリエイション事業統括本部長)  
秋元康
笑福亭鶴瓶
大林素子
堤幸彦(映画監督)
手塚とおる
中村昌也
池松壮亮
黒沢清(映画監督)
亀梨和也
茅野しのぶ(AKB48グループ総支配人)
相葉裕樹
生田絵梨花(乃木坂46)
大竹しのぶ
高橋克実
段田安則
岡本健一
萬田久子
黄川田将也
剛力彩芽
小森陽一(漫画原作者)
廣野有紀(歌手・ボイストレーナー)
三又又三
田中圭
山田孝之
縄田智子
松江哲明(映画監督)
山下敦弘(映画監督)
秋元才加
朱里(プロレスラー・キックボクサー)
坂井永年(イラストレーター)
板野友美
入山杏奈
大森南朋・小野ゆり子夫妻
内田朝陽
満島真之介
柳英里紗

 








 ☆感想


7/12
山口雅俊(闇金ウシジマくん監督)

昨日はシアターコクーン昼の回で「太陽2068」(綾野剛 主演、前川知大 作、蜷川幸雄 演出)を観劇。
空間とか観念の枠を打ち破ろうとする拡がりのある演出。
ラストは、終幕で紅テントを開け背景に新宿の高層ビル群を見せる状況劇場の十八番を想い出し、泣ける。

終演後の楽屋で綾野剛くんに前田敦子さんを紹介され「優子がお世話になりました」と言われる。

「太陽2068」。
綾野剛くんのナチュラルな芝居が秀逸。
古典 H・G・ウェルズ「タイム・マシン」を連想させる物語。


7/12
前川知大

終演後、楽屋でラストシーンについて綾野成宮と話し合う。
でもこういうのは演出家の意図から外れて変わっちゃうと大変だから気をつけないとな、
と色々言い終わった帰り道に震えてます。


7/12
犬童一心(アザミ嬢のララバイ監督)
「太陽2068」コクーンシアターで観ました。
何か優れた西部劇を見たときの興奮。
綾野剛と前田敦子が感動的なシーンを作り出す。
やっぱり前田さんには、独特の場を支配する力がある


7/15
春風亭小朝 ブログ
http://ameblo.jp/koasa-blog/entry-11894401739.html

昨日はシアターコクーンにお芝居を観に行ってきました目キラキラ
バイオテロのウイルスにより高い知能と若い肉体を手に入れた代償として太陽を受けつけなくなった人々と、
普通の人間たちが共存する社会でのお話
出演者は綾野剛さん、前田敦子さん、成宮寛貴さん、六平直政さんといった方々
演出は蜷川幸雄さんでありますキラキラ

途中、母娘役の伊藤蘭さんと前田敦子さんが唇を交わす場面(元キャンディーズvsAKBニコニコ)や
綾野剛さんがパンツを下ろして生尻を見せるサービスカットなどを入れつつ、
いかにも蜷川さんらしい舞台作りでしたニコニコ
98%を占める女性のお客様たちは綾野剛さんと成宮寛貴さんの2人だけの場面がお気に入りのようで、
そこになると盛り上がってましたねにひひ

いやぁしかし、綾野剛さんは魅力があるなぁニコニコ
とにかくチャーミングな方ですキラキラ
カーテンコールの時の笑顔や仕草の可愛いらしさといったら、もうラブラブ!キュン

彼がとびきりうまいパスタ料理を作ってくれて
食べなよニコニコなんて優しく笑いながら飼っているパグの頭を撫でている姿を見ただけで、
僕が女子なら脱糞しますね台風
彼が主役を務めるベタな恋愛ドラマが観たいなぁキラキラニコニコキラキラ


7/12
篠儀直子 (ライター『キネマ旬報』など)
いまでは映画を観る人に戻ったわたしですが、
狂ったように演劇ばかりを見ていた時期もじつはあったのでした。
今夜は久しぶりにコクーンで芝居を観ます。楽しみです☆

見切れ何のそので2階バルコニー席で楽しみましたのことよ。
ただ、バルコニー席だから役者さんが近くに走ってきてくれることだけはない(笑)

以前ツイートしたとおり、「用意スタート」から「カット」までの集中力と瞬発力がものすごい人、
つまり、まさに映画俳優としての身体的生理の持ち主というイメージを
わたしは綾野剛に持っていたわけですが、
そういう彼が、観客の前に持続的に身体をさらすことになる演劇の舞台に立ったとき
どうなるかというのがわたしの大きな関心のひとつだったのだけど、
見事にコクーンサイズの「舞台俳優」になっていたので本当に驚きました
(初日あたりはまた違ったのかもしれませんが)。
動きやたたずまいもさることながら――でもこれはある程度予測の範囲内――何より驚いたのは、
声の明瞭さと力(客席へと押し出してくる感じ)が、一貫して失われなかったことです(
もちろん、当たり前のこととして一本調子ではなく、場面ごとにちゃんとふさわしい台詞回しをしながら)。
「もしかして長年こっそり舞台の訓練を積んでいたのではないか?」と思ってしまうくらいでありました。

初めて綾野さんにインタヴューしたとき、
1か月半ほど続いていた猛烈な全身倦怠感が翌日から嘘のようになくなったので、
わたしは冗談半分で「綾野剛におはらいしてもらった」と友人たちに言っていたのだが、
昨日観劇から帰ってきたら、親指の痛みがなくなってるじゃないか!
 畏るべし綾野パワー!(違



7/16
佐々木敦(日本の評論家、早稲田大学教授。HEADZ代表。雑誌「エクス・ポ」「ヒアホン」編集人)
シアターコクーンにて、前川知大作、蜷川幸雄演出『太陽2068』。
イキウメの名作『太陽』のニナガワ版。
色んな意味で多少の危惧がなかったといえば嘘になりますが、
結論から言うと、これは素晴らしかったです。
それはまず第一に、何と言っても戯曲の勝利でしょう。
前川さんの才能が凝縮された傑作。
そしてキャストだ。綾野剛は大変に熱演していた。
イキウメでは大窪人衛がやってた役なので全然キャラが違うわけだけど、正直すごく良かった。
舞台に向いてる人だなと思った。
成宮寛貴は前にも舞台を観たことがあるけれど、とにかく演技が非常に上手で抜群の安定感。
この二人の掛け合いは魅せてくれた。
そしていつも蜷川観客は八割が女性なのだが、僕の周りはほぼ全員が綾野剛ファンの方々だった。
推定ですが、彼が出てくるとはっきりと身を乗り出すのですぐわかる。
今回に限らないことだが、とにかくチケット高いし取るのも大変なので、
演劇好きということとはまた別の熱情がないと行けないのかも。


7/22
牧有太(「情熱大陸 」ディレクター)
「太陽2068」シアターコクーン
綾野剛という役者について「どんな役者なの?」と聞かれたとき、繊細かつ大胆、
そして身体能力と勇気を持つ男だと答えることが多いのだけれど、
全身が常に見える舞台だと身体能力が際立って見えた。
役者としての反応力とでも言うのか分からないんだけども…。
しかし、良いものを見たなぁ。
と興奮が冷めぬまま楽屋に会いに行ったら、また良い顔をしているんだこれが。


7/25
TERU(GRAY)
太陽2068観て来ました!とにかく素晴らしい!
これから観に行かれる方も多いと思うので、少々アドバイスを!
パンフ先に買って、ストーリーを前もって把握しておくと、最初から楽しますよ!
役者さん達の熱を感じられる舞台でした!終演後も楽屋に誘って貰い綾野剛君と話しましたが、
1本1本全精力を注いで舞台に立ってるだけあって、大変そうだったけど、
まだまだ公演は続くので、体調崩さずに頑張って欲しいです。いや?本当に良かった!


7/25
篠儀直子(ライター『キネマ旬報』など)
天真爛漫な野生児のようなてちゅひこ(鉄彦)18歳にコクーンで会ったあと、
『カーネーション』の録画で周防さんを見るというこの落差。
ていうかほんとにこの二人同じ俳優なのか。
いまさらだけどすげえなあ。


7/26
又吉直樹
 昼間は渋谷で『太陽2068』を観劇。
夜は立川で『降る夜』というライブ。
凄い舞台観て、毛穴が開いた状態で、村岡ゆかさんとoutside yoshinoさんの凄い音楽を聴いたので、
なんかずっと泣いてました。今は歩く方向間違え迷子です。
花火帰りの子供達が僕の事をお化けやと思ってます。


7/27
パンサー向井
仕事終わりに綾野剛さんの舞台を見させていただきました。
やっぱり生の舞台いいっすね。カッコ良かったなー。一緒に行った夏子が綾野さんに
「ネタ見たことないけどなんか笑っちゃう顔ですね」って言われてました。
7/27
横澤夏子
向井さんと、綾野剛さんの舞台「太陽2068」を見させて頂きましたー!
もうかっこよすぎて震えてるー!もうかっこよすぎてーーー!


7/28
貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー]
<渋谷シアターコクーン「太陽2068」>今までは苦手だった蜷川幸雄演出。
綾野剛・成宮寛貴・前田敦子の役者としての存在感

「太陽2068」を渋谷シアターコクーンで観た。
SF近未来ものの若手劇作家・前川知大の脚本を巨匠・蜷川幸雄が演出、
豪華若手キャストをどう料理するかに注目した。
いってみれば1968年公開の映画「2001年宇宙の旅」に描かれた近未来の世界の舞台版。
差別意識や高齢化社会などの現代の問題が織り込まれ、SF的でシンプルな作品と思いきや、
なかなか先に進めないジクジクとした蜷川ワールドが展開され、
やっぱ蜷川さんは難しく作るんだなぁと溜めに溜めたところで、
ラストはシアターコクーンという箱でしかできないアッ!という演出で一気に青春ドラマに昇華させた。
お見事というしかない。
テレビドラマではシャープな役柄が多い綾野剛が、
固定観念から抜け出せない頭の悪いヤンキーを舞台初主演で好演、
蜷川作品の秘蔵っ子・成宮寛貴は、ホスト役に徹しさせて綾野を引き立てる。
初舞台の前田敦子はAKB48の豊富なステージ経験から、
老人たちの後ろでポツリと立つ堂々した存在感を見せた。
前田のラストシーンは、観客動員の核となる前田ファンへのサービスもぬかりない。
立ち見も出る満席の舞台にはテクノ感溢れる豪華な二階建てセットが組まれ、
普段は舞台に来ないであろうミニスカートの美女が客席に目立つ、
興行的にも観客満足度もパーフェクトな舞台だった。
脚本の前川知大は劇団「イキウメ」を主宰する演出家だ。巨匠・世界のニナガワと、
どこに接点があって「太陽2068」が上演に至ったかの事情は知らないが、
前川の劇団芝居が日本映画だとすれば、シアターコクーンの蜷川芝居はハリウッド映画だ。
今で言えばハリウッド版「GODZILLA」だ。
いや、単館映画とハリウッド映画くらいの制作費の差があるかもしれない。
マイナーでは飛翔できない圧倒的クオリティに制作費をつぎ込み、興行的な成功を目指している。
「太陽2068」のキャストは前述の3人を脇で中嶋朋子、伊藤蘭、六平直政、山崎一の他を
蜷川組の常連が締める。
舞台的に言えば、木村拓哉主演ドラマ「HERO!」のような磐石のキャスティング。
しかし、このキャスティングは、つかこうへいの「飛龍伝」のように、
大箱で旬の配役で何回も再演できる鉄板の演劇を当初から狙っている。
もしかしたら、この近未来設定は世界的に流通する演劇コンテンツを目指しているのかもしれない。
ミュージカルで言えば「キャッツ」や「オペラ座の怪人」のように。
蜷川幸雄演出作品は今まで苦手だったが、才能あるベテランこそ大切にしなければならない。
若手とジョイントすることで世界に通用するコンテンツを作り出すスキルと経験を持っている。
自分の名声にもはや興味がなく、
日本の若手に残せる将来の舞台の夢を見せてくれている蜷川幸雄さんを
限りなくリスペクトした舞台でした。
でも正直、今までは苦手でした。ごめんなさい!

http://mediagong.jp/?p=1781


7/30
文月路実 (編集者・ライター)
前川知大作、蜷川幸雄演出『太陽2068』観劇。
面白かった!イキウメ版より好き。イキウメはわりとストイックな演出だったけども、
そうだよ、これはこんなふうに熱く泥臭くロマンティックにやったっていいんだよ!と思った。
そしてやはりスター芝居はいい。華があるだけでなく確かな技術がある。
『太陽2068』。綾野剛がストレートに苛立ちや焦りをぶつけるシーン、
鉄彦の純粋さが伝わってきて泣けてしまった。
鉄彦は、自分がなにも知らないということを知っていて、
だから焦ってノクスになりたがっている。
ノクスになって知識を得て、変わることを切望している。


7/30
大林素子オフィシャルブログ「モトコレ!」
『シアターコクーン・太陽の2068』
観てきましたぁ!
凄かった??蜷川さんの舞台の中では
私には、割りと珍しい感じの作品で
新鮮で、でも蜷川魂があって
涙な・・舞台でした!

綾野さんの、繊細な姿と瞬間に爆発する
パワーに圧倒され、
きゃーとドキドキみんなが 叫んで
しまう様な、可愛さと
刹那と激しさを合わせもつ
人を虜にする何かを、持ってる綾野さん

だって、新撰組オタクな私には
松平容保公を演じられた、綾野さんは
容保公でクラッカーして、この間、お墓参り
行ってきたんです、と張り切って
楽屋で、ご挨拶前に、ご本人に言って
しまった私でした・・。
失礼だったなぁ、と(笑)
http://ameblo.jp/motoko-oobayashi/entry-11902384319.html


7/31
堤幸彦の2014日記
「木更津」
昨夜、
シアターコクーンで蜷川先生の
「太陽2068」を観る。
偶然にもワタシの両隣が超絶有名人で気恥ずかしくも恐縮至極だったのだが、
舞台は素晴らしかった。
舞台機構の意外な使い方、過去未来を象徴するデザイン、
深い音楽(ホテル・カリフォルニア!いったい誰の?)、シャープな照明、

どの瞬間も“見たかった蜷川舞台”だ。

綾野さん、前田さん、成宮さんはじめとする役者陣も半端ない。
つぎつぎと自由自在に空間をもぎ取っていく自信に満ち溢れた演技。
そうだ、蜷川舞台に必要不可欠な演技要素はこの迷いのなさだ。
脳の深いところから迷いなく出てくる台詞。
素晴らしい。
この高みにどうやって役者を連れていくのか、
稽古が観たい!
自然にスタンディングオベーション!
有難い、いい夜でした。
http://blog.goo.ne.jp/yukihikotsutsumi/e/6f70afb9fd8a66da46108599bf289259


8/2
小森陽一(S-最後の警官原作者)
奮闘

昨日、急遽上京しました。滞在時間20時間ほど(笑) 今はもう博多です。
一つは剛くんの芝居を観る為。『太陽2068』、蜷川さん演出のSFチックなドラマチックな芝居でした。
剛くんの引き出しの多さには毎度、舌を巻きます。
プラス、前田敦子さんの演技に惹かれました。AKBのアイドル然とした姿はどこにもなかった…。
凄いものです。
カーテンコールの際、剛くんに指を差され、どうしていいか分からずこちらも指を差しました。
お客さんは振り向くし…参りました(汗)
そこからマンガ版S、メンバーをプラスして映画版Sの打ち合わせ。怒涛です。
そして今から、昨夜の内容を原稿に反映する作業のスタートです。
奮闘、よーいスタート(笑)


8/3
朱里(プロレスラー)
舞台 太陽2068
本当に凄かったです。観れて良かったです( ´ ▽ ` )すんごく勉強になりました!!
しかもお客さんもパンパンで立ち見も!
そして俳優の綾野剛さん、女優の前田敦子さんと写真を撮っていただきましたm(__)m
すごーく嬉しかったです。
あとものすごく緊張しました
綾野さんには腕すごいね、頑張ってねと声をかけていただき本当に嬉しかったです!
舞台の綾野さん、ものすごく凄かったです!!!ありがとうございましたm(__)m
もう、かわいすぎて本当に一緒に写真撮ってもらえた事が嬉しかったです!!
やっぱり、キラキラしてます(((o(*゚▽゚*)o)))舞台の前田さんも、すごく輝いてました!!!







7/8 MANTANWEB
綾野剛 : 蜷川作品初参加で「狂気にもっと挑みたい」

俳優の綾野剛さんが主演を務める舞台「太陽2068」が7日、
Bunkamuraシアターコクーン(東京都渋谷区)で初日を迎え、
綾野さんら出演者が意気込みを語った。
蜷川幸雄さんが演出する舞台に初めて参加した綾野さんは
「今までやってきたことを恐れず、良い意味で壊したい。
蜷川さんの深淵なる狂気にもっと挑みたいと思いました」と意気込んだ。

http://mantan-web.jp/2014/07/08/20140707dog00m200048000c.html


7/9 シアターガイド
前川知大作×蜷川幸雄演出『太陽2068』が開幕 綾野剛&成宮寛貴&前田敦子のコメントが到着

前川知大作×蜷川幸雄演出による舞台『太陽2068』が、7日、Bunkamuraシアターコクーンにて開幕。
蜷川と、キャストの綾野剛、成宮寛貴、前田敦子のコメントが到着した。

前川率いる劇団「イキウメ」の公演として11年に上演され、
読売文学戯曲賞や読売演劇大賞を受賞した本作。
今回は、蜷川のために書き直した、新たな作品となっている。

物語の舞台は、バイオテロによりウイルスが拡散し、若く強い肉体と高い知能を持つが、
太陽光の下では活動できない変異した人類「ノクス」が生まれた近未来。
普通の人類は「キュリオ」と呼ばれ、少数派になってしまった社会を描いた人間ドラマだ。

■蜷川幸雄(演出)
当初は、面白いけれど上演するには難しい戯曲だなと思ったんです。
二つの世界がくっきりと別れ過ぎていて、それが寓意に見えたらつまらないなと思いました。
魅力的なセットによって、いろいろな出来事にリアリティーを与えてほしい、
そこで俳優が自由に行き来してくれれば、と考えました。
今回の舞台セットは以前使っていたものを取り戻したんだけど、
朝倉摂さんによるセットも伝承されていて、
そういう意味では新旧の技術のコラボレーションといった作品になったことは良かったなと感じます。
出演者の顔ぶれも良かった。綾野剛は最高です。すごくいいんです。新しい。
蘭ちゃんみたいに元アイドルの人もいれば、ロッペイちゃん(六平)の状況劇場とか、
山崎さんの早稲田小劇場とか、全然出自の違う俳優さんがそろっている。
その中で、前田さん、綾野くん、成宮くんら若者たちが伸び伸びとやっていましたね。
前田さんは頭が良くてホンを読む力があるから、ある場面ではドラマチックに、
ある場面ではセクシーに、また狂気の表現など、そういったものをすべて鮮やかにやっていますよ。
もう前田さんをアイドルという目線で見ないでほしい、
ちゃんとした女優さんとして見てほしいなと思いますね。
結果的には、疾走する青年たちの、ある種の青春物語になったかな。
前川さんの劇団「イキウメ」でのやり方とは違うと思いますが、
まあ比較するのも良し、自由に評価していただければ。
自分としては初日をのんびりと楽しめそうだなと思っています(笑)。

■綾野剛
今までやってきたことを恐れず、良い意味で壊したい。
そして、蜷川さんとキャストとともにつくってきた“心が生きる”ということ、
死ぬということを皆さまに届けたいです。
蜷川さん自身が、新しい世界を切り開こうとしていて、それが心地良かったり、
同時に毒々しかったり、やはり演劇を愛しているのだなと。毎日考えさせられました。
蜷川さんの深淵なる狂気にもっと挑みたいと思いました。
人が人で在るために、心を生かすということ。
心を殺すということ。丁寧に感じていただけたら幸いです。


http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2014/07/09_04.php


7.12 産経新聞朝刊
綾野剛、初の主役「太陽2068」 「心を生かす」ライブのような舞台に 

8月公開の映画「ルパン三世」で石川五ェ門を演じるなど
映画、テレビで幅広く活躍する綾野剛(32)が、
東京・渋谷のBunkamura25周年記念「太陽2068」で舞台初の主役を務めている。
演出は蜷川幸雄(78)。戯曲は気鋭の劇作・演出家、前川知大のものだ。

 知的に優れ、不老長寿と富を得た理性的な人種「ノクス」と、
そのような“進化”を果たさなかった人間「キュリオ」を対比させ、
幸せとは何かを問う。貧しくとも太陽の下、農作業に汗をかくキュリオに対し、
紫外線に極度に弱いノクスは太陽を避け、都会的な環境で生きる。
綾野が演じるキュリオの鉄彦は、無邪気にノクスに憧れるが、
幼なじみの結(前田敦子)はキュリオの現状をなんとかしたいと悩む。
鉄彦はノクスの男(成宮寛貴)と出会い、
2人は互いの違いを徐々に理解し、友情を深めていく。
綾野は鉄彦を「心を生かす」というテーマで演じたいという。

 「心が生きるか、死ぬかという物語だと捉えて、すべてを感情に変換して考えています。
頭もいい、年も取らないというノクスの世界は素晴らしいけれど、
理性だけで判断するなんて、それって心は生きていると思いますか? 
心が死んでいくんじゃないでしょうか」

決して心を揺らさず、全能感にあふれたノクスと、綾野は正反対という印象だ。
「舞台は経験不足」と前置きして、成宮らと掛け合うせりふとそこに込められた思いを
同時に客席の側へと伝えられるのか、試行錯誤していると明かした。

 「舞台はライブです。バンドのライブが盛り上がるのは、
アーティストが観客に届けたいという気持ちで演奏するから。
僕たちもそこは絶対諦めちゃいけない」。涼しげな目で熱く語ったのが印象に残った。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140712/ent14071212500007-n1.htm


7/23日経新聞
Bunkamura 「太陽2068」 差別を超えた友情が開く未来

 SF的作風で演劇界に刺激を与える若手、前川知大の作品を
蜷川幸雄が初演出で受けて立った。
前川が3年前、自劇団「イキウメ」で上演した戯曲を基に新たに書き上げた「太陽2068」だ。
前川の予言者的な感覚と、蜷川の幻想的で視覚的な演出が交錯、
壊れた世界で敵と味方の関係を超えて未来に踏み出す若者の友情物語になっている。

 バイオテロで拡散したウイルスで人口は激減、感染者の中から新しい人間が出現した。
従来の人間より知的、身体能力が高まった半面、
太陽光の下では活動できないという欠点があった。
新人類はノクスと名乗り、劣る旧人類をキュリオと呼んで支配した。

 物語の舞台は山間の小さな村、長野8区。ノクス殺人事件が起きて、
隣接するノクス自治区から経済封鎖を受けていた。
10年に及ぶ制裁が解除されたが、住民は二十数人に減り、
その中にはノクスに憧れる青年の奥寺鉄彦(綾野剛)と生田結(前田敦子)がいた。
そこにノクスの好青年、森繁(成宮寛貴)が見張り番としてやってきた。

 前川のSF的な世界を期待すると拍子抜け。村は長屋セットで仕切られ、
住人の多くは「さいたまゴールド・シアター」の老俳優軍団が演じるのでレトロな雰囲気。
ノクスの生きる世界はアクリルの床を透かして見る地下に置かれ、観客席からは見えにくい。

 だが、何より舞台の見どころは綾野や成宮、AKB48出身の前田ら
輝く若い俳優らが作り出す時代感覚、身体感覚だろう。
人間がノクス、キュリオに分かれても心を通じ合わせることができる。
森繁と鉄彦の間に育まれた友情はいとおしく、新しい世界を切り開くことになるのだ。
(文化部 河野孝)

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74573090S4A720C1BE0P01/


7/24 朝日新聞
シアターコクーン「太陽2068」 SF調の趣向、リアルに

前川知大が書いた「太陽2068」を蜷川幸雄が演出した。
世界がバイオテロに攻撃されて半世紀後の日本。
奇跡的に回復した人々はノクスと呼ばれ、夜しか活動できない。
一方、わずかに生き残ったこれまでの人間はキュリオと呼ばれ、
知識、体力共にノクスに圧倒される。
新旧二つの人類の間に起こる抗争と交差、融和のドラマが展開される。

 大劇場用に少し改定されたが、前川らしい奇抜な設定は前作「太陽」と変わらない。
SF調の趣向が現実世界を侵食する中、いかにリアルさを獲得できるかが、やはり肝になる。

 月と太陽、非暴力と好戦、不老と老化、合理の知性と繊細な感情、エトセトラ。
二項対立の価値観がてんこ盛りだ。
世界の相克と見れば、寓意(ぐうい)劇に痩せてしまう。
だからか演出は、今の世界を連想させる直接の現代化を抑制している。

 上下2層の舞台は対照的な世界だ。
上は人口減に悩む旧人類限界集落(美術は朝倉摂の遺作)。
下は新人類無機質な一室(美術は中越司)。二つの世界が峻別(しゅんべつ)される。
異なる時空間の表現もあるが、基調はリアリズム。
小劇場で時間がグニャリと溶ける前川世界とは一味違い、想像に訴える度合いに課題が残る。

 人間味のある演技が舞台のリアルさを醸す。
六平直政と中島朋子の情愛、横田栄司の悪。山崎一と伊藤蘭の乾いた感触。
新旧人類をつなぐ成宮寛貴と綾野剛の青春のナイーブさ。他に前田敦子らが出演する。

 最後の場面がさわやかだ。人はいかに内なる豊かな矛盾を乗り越えるか。
新しい自分を発見出来るか。若者の内面の旅と見て、楽しんだ。(山本健一・演劇評論家)

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11262843.html


7/30
チケットぴあ
綾野と成宮、前田らが蜷川の舞台で魅力を発揮

前川知大脚本・蜷川幸雄演出の舞台『太陽2068』が好評だ。
3年前に前川が主宰する劇団イキウメで上演され、
深い文学性で高い評価を得た『太陽』がベース。
気鋭の作家の戯曲を演劇界の巨匠がどう料理するのか注目を集めていたが、
初主演の綾野剛、蜷川作品に7年ぶりの登場となる成宮寛貴、
舞台初挑戦の前田敦子など新鮮な“素材”を得て、全く異なる味わいに仕上がっている。
バイオテロにより、人口が減少した近未来。
社会は新人類「ノクス」と、旧来型の人間「キュリオ」に分かれて暮らしていた。
ノクスは身体的・頭脳的にずば抜けた能力をもつが、太陽の下では生きられない。
一方、キュリオはその能力の差から次第にノクスの支配下に置かれるようになっていた。
ある日、キュリオの村に見張り番としてノクスの森繁(成宮)がやってくる。
そこには外界に憧れる鉄彦(綾野)と、村を守りたいと願う結(前田)がいた…。

最小限のセットで世界観を見る者に託していた劇団公演とは異なり、
蜷川版では舞台をアクリルの床で上下に仕切り、上には村の古びた家々を、
下には近未来を示唆する家具を置いて具象化に振り切った。
より焦点が当てられたのは、鉄彦と森繁の関係だ
。出自は違うが平凡な青年たちが出会い、大切に友情を育むさまを、
蜷川はそのまま綾野と成宮という旬の光を放つ役者ふたりに重ねて描いてゆく。
前田の瑞々しい存在感と、衝撃的なシーンに体当たりで向かってゆくまっすぐな眼差しも、
村に閉じ込められて育った少女の硬質さそのものと感じられた。

振り返れば6月初旬、稽古の初日では緊張気味だった綾野と前田。
作者の前川による本読みの間、綾野はすでにセリフを覚えた様子で、
鉄彦の心の動きをたどるように空を見つめながら唇を動かしていた。
リラックスした姿勢だが真剣な表情で台本を読み込む成宮、
時折思いついたようにペンを動かす前田と三者三様の稽古始め。
その後、床を覆っていた幕をスタッフが取り去ると、
本番同様に稽古場にしつらえたセットが出現。
目を輝かせて床に寝転ぶ綾野と、早速あたりを歩いて回る成宮。
役者が作品に対してすぐさま創造力を発揮できるようにという蜷川の計らいが、
自然とキャスト陣の結束を高めたように思えた。

もちろん若手たちが伸び伸びと舞台にいられるのは、
六平直政や中嶋朋子、大石継太、横田栄司、さらに山崎一や伊藤蘭という、
善悪二元論では片付けられない人間の業を鮮やかに表現できるベテランたちがいてこそ。
綾野らキャスト勢と蜷川に前川、そして観客の誰もが幸せな出会いと感じる舞台になったことは、
連日のスタンディングオベーションが証明しているだろう。

舞台は8月3日(日)まで東京・シアターコクーンにて。
前売りチケットの予定枚数は終了しているが、チケットぴあでは当日券の販売を電話にて受付。
取材・文 佐藤さくら

http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201407290009&afid=700&__from=twitter


 

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