第6話




「僕は約束を守りましたよ 晶ちゃんを家に帰した」






「あなたのDNAをとらせてもらうわ」











「約束は私も守るわ」

「ありがとうございます」






「おつかれさまです」






「晶」






「ひどいと思う 私を騙していたことは」

「聞いたんだね」






「ふざけないで 最初は頭に来てひっぱたこうと思った」

「かまわないよ それで気が済むなら」

「気なんか済まない」






「始まりはどうであれ 今あなたは私をどう思っているの?」






「ごめん 本当にごめん」

「ずるいよ そんなんじゃないって言ったでしょ」

「俺は・・・俺は・・・」






「何だろう俺 自分で自分のことが分からくなっちまった」











「あなたが早乙女だったら 私たちはいとこということになってしまうのね」






「そうだね」

「つきあうことはできない」






「わたしはとても複雑な気持ちよ あなたの望みが叶うといい
でもこのことだけは叶わないでほしい」







「変顔して 変顔」











「交代交代 いくよ」
















「今日あなたに来てもらったのは 先にあなたの望みを聞いておきたいから」






「ホールディングスのどんな地位も可能よ 早乙女の正当な後継者なら」






「当座のお金も必要ね お母さんの入院費」






「そっちのほうは調べたんですね DVってやつですよ」











「母とあなたのお兄さんの写真です
俺の父親はあんな屑じゃなかった 
みんなが注目した素晴らしい人だったと証明したいだけなんです
金なんか要らない 金持ちはみんなそうだ
寄ってくる人間はみんなそうだと思ってる」







「俺は違う 違います」






「残念ね」






「もし不服なら他に再検査を依頼してもいいわ」






「いえ そういうとこは信用してます
晶ちゃんを帰しても僕の要求など飲まないと拒否することもできましたから」












「全く母さんも人騒がせだな






「すいません 色々ご迷惑をおかけしちゃいまして」






鑑定書は改ざんされていた
修一と洋介のDNAは合致していた
修一の遺書にも洋介の母のことが書かれていたが遺書は燃やされた






「でもいいんですか? 俺晶ちゃんと」






「晶はオリンピックに向けて大事な時期なの 
あなたが晶の力になってくれるなら 邪魔する理由はない」


「精一杯 応援しますよ」











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